中国へ
この写真は、自分へのお土産で、上海から少し離れた朱家角のギャラリーで購入した。
価格は、100元。日本円だと1,700円程度と、かなり高い。
チベットの少女と思われ、この写真家は、中国の少数民族を撮っていることで有名らしい。
今の中国では、所得格差が深刻な社会問題になっている。
日本との経済格差は、6年前には20分の一と言われていたものが、今では10分の一程度と、差が埋まってきた。上海に於いては、マンションの価格なぞは、大阪並みに高額で、億ションも、大層に売れているらしい。
これまで私は、中国に付いて、詳しくはないものの、それなりに色々と思って来た。
一つは、人口15億の中国を、旧ソビエト連邦が崩壊した様に、分割すれば、良かろうに。
であり、
もう一つは、共産党の一党独裁政権が民主国家へと変貌を遂げれば良かろうに。である。
今回は、6日間であったが、朝から晩まで、ずっと一緒に過ごしたものだから、十二分に時間があった。
もちろん仕事もあるが、それは時間にすれば三分の一程度で、観光とか遊んでいる時間の方が断然と多い。
通常、政治と宗教の話しは禁物と言われているが、仲良くなれば、話しは違ってくる。なぜなら、彼ら中国人は、当事者の問題であるから、真剣な話しになる。
これまで、中国と一括り捉えていた私であるが、どうも、そこから認識を改める必要があるらしい。経済的にも、地理的にも、省が違えば、全く別の国に近い。
だから、私は幾つかの国家に分割すれば良かろうに、と思う訳だが、どうも、問題は、そうは簡単ではないらしい。
進歩的な松本さんから、「分割は駄目です。」と即座に、返答。
「どうして?」に付いては、例えば、北の地域では、水がなくて、一月に一度しか風呂に入れない。
そんな所だから、満足に農作物も育たなく、経済が成り立たない。
なんとか肥沃な土地を手に入れようと、肥沃な土地を手に入れたいと紛争、内紛、戦争が勃発して来た。
考えるに、好き好んでの戦争なんぞおとぎ話で、それは、生きんが為。
彼女の言うには、
文化的にも経済的にも豊かな漢民族は、それ故に、これまで歴史上、侵略戦争を仕掛けたことはない。
地方から沿岸部に出て来た民は、漢民族の文化に触れ、吸収し、同化して来た、と。
私、
「そんなのは、現在、栄えている漢民族の勝手な理屈としか、聞こえんが。」と、反論したものの、そう言う松本さんは、日本国籍。
(彼女のお父さんは残留孤児で、三歳の時に両親から逸れ、中国人に育てられ、彼女は、その娘さん。
18歳の時に、お父さんと一緒に日本に帰国。 日本語を話せないお父さんと彼女の生活は、一変して、苦労したらしい。)
写真の街は、朱家角。
上海から2時間ほどの美観地区で、昔の中国が忍ばれる。
水郷があって、綺麗な街だ。
それに引き替え、上海は、今や東京以上に高層ビルが聳え建ち、昔の風景は、何処にもない。
例えば、国家の分割であるが、共産党の一党独裁態勢の打破、と同様に、政治体制を壊しただけでは、何一つ変わらない、と云うか、更に悪くなってしまう恐れすらある。
エジプトに初めて選挙制度が導入され、民主的な大統領が誕生したかと思えば、その矢先のクーデターとか、日本でも、政権交代が実現し、民主党政権が誕生したものの、何一つ、良くならなかった実情もある。
それも実験だ、過程だ、と言ってしまえば、そうなのだが、単純なお題目やスローガンは、詐欺、扇動に近い。
政治なんて、どうでも良い、とは思わないが、政治で解決できる問題は、多寡が知れている。
ならば、どうすれば? に付いては、簡単な答えはない。
祭(ツァイ)は、上海の親友で、親日家だ。
経済的にも成功した知識人で、問題意識も高く、政府発表のニュースに付いても、大ウソだと、至って冷静。
彼曰く、夜には、テレビで未だに日本軍の悪行を流しているが、それを真に受けている中国人は、教養の足らない一部の人たちだけです。
日本に於いても、「中国人は・・・・」と、反日的なニュースが多いが、私たちも同様の冷静なスタンスが必要だろう。
彼は経済人で政治家ではないものの、それなりに関心が深く、悩みも深い。
だから、ふと、「なあ、中国の一党独裁が終わると思うか?」と、質問された。
真面目な質問だから、私も思うところを真面目に答えた。
「中国に来るまでは、それは難しいだろうと思っていたが、これまで祭と遊び、話し、議論して、私は思いが変わった。
近い将来、もっと中国は良くなるだろう、と私は思う。
一党独裁政権が崩壊するかしないは、それ程に重要な問題ではなく、大事なことは、祭の様な中産階級、すなわち、経済的にも自立した知識人が、これ程に育っている中国だから、必ずや、良くなると私は思うよ。
中国では、フェイスブックが見られなかったり、ブログが監視されるなど、色々と迫害があるらしいが、それらを逆手にとって笑いネタにしてしまう市民が育っている。
「なぁー、祭。 俺とお前は親友だ。
日中で戦争が起こらない様に、俺は日本で、お前は中国で頑張ろうな!!」と、誓い合った。
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