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さらば、夜型人間

かれこれ40年以上も続いた【夜型人間】に変化が生じている。

夜中を専(もっぱ)らとし、結果、昼まで寝ていたのに、この1か月以上、どう言う訳か朝の6時とか7時に目覚めてしまう。
以前ならば、未だ起きていた時間だ。

通常は、生活態度が「改まった」とか「治った」とか、良い風な表現が用いられるのだろうが、私は、この変化を「老化が始まったか?」とか「堕落したか?」としか、思えない。

幸いにして、この頃、早朝にメジャーリーグの中継があるからイチローウオッチャーには良いものの、私が得意とする深夜の時間帯か等閑(なおざり)になってしまっている。

考え事には、何処からも誰からも邪魔が入らない夜中に限るし、また、十二分な睡眠は、充実感に満ち溢れた時間を約束する。

早起きの始まりは、8月30日の富山へ日帰りだ。早起きして疲れた為に、早く寝付いてしまい、翌日も早起きした。しかし、こんな程度のことは40年間を振り返れば幾度もあって、それが為に、早起きになったことなど、せいぜい2、3日間が良いところだ。

これまでの私は、目覚めた時が朝で、眠くなった時が夜の生活を送っていた。
これだけならば、単に時間がずれただけのことで、なにも今回、「堕落した」との言葉は使わない。

「眠りに就く時間」に付いては、一般的には凡その就寝時間が決まっている。この時間が来ると、人はそろそろ眠くなり、『いよいよかなぁ~』と寝るものだが、しかし私の場合、もうこれ以上は、とても起きていられないギリギリの時間まで、「頑張って」起きていた。同様に、起床の時も、もうこれ以上は、とてもやないが寝られない、と言う状態まで「頑張って」寝ていた。

そう、「頑張って!! 寝続け、頑張って起き続ける」のである。

「なにも、そんなところで頑張る必要がなかろうに。 くだらい・・・。」と思われるだろうが、私には、世間で「くだらない」とされている事に、寧ろ正当性を感じる。

例えば、これが早寝早起きの習慣を私が守っていたらとしたら、どうだろう。
この生活習慣は、世間では模範的な生活態度とされているもので、この習慣に付いては、世俗迎合が見え隠れし、果たして自分の責任で「良」と判断したのかも疑問が残り、なにより独創性の微塵もない。

これまで、経営セミナーなるものを幾度も聞いて来たが、その内の何人かは、「儲かっている会社の経営者は早寝早起き。潰れた会社の経営者は遅寝遅起き。これは常識です。」と、威張り腐って話したものだが、私に言わせるなら、「そんな下らない常識を話すだけで、金儲けするな。」である。

その日その日を今日限りと生きていたい、そんな感じで過ごした。
身体に無理が効いた学生時代には、「1日中寝っ放しで3日間起きっ放し」なんて日々を過ごした経験もある。

なにも、そんなところで頑張っても仕方がないと思われるだろうが、とにかく私は40年間以上も、こんな詰まらないと思われる時間の過ごし方を「良」と通してきた。
安易に常識を受け入れない生き方は、結構と難しい。だから、自らの反抗反逆精神を遠ざけることなく、正当なることとして向き合う中で、常識と非常識を等価値と置く作業が可能となる。

もちろん、常識が全て悪い訳ではない。しかし、常識だけでは、進歩は生まれない。

阿部公房の言葉、「自分は自分の王様である。」を拝借し、私なりに解釈すると、世間で詰らないとか非難を浴びそうなイメージなり、考えなり、生活にこそ自分なりの個性の芽が存在し、それを育む中に自分が生きている証が見つかったりする。逆に、それが世間から賞賛される思想なり生活は、多くは時勢に遅れまいとの迎合意識に依るところが大で、自分が生きたと言うよりは、単に世間が生きたに過ぎないとすら、私には思える。

だから、私には、昼型生活になってしまったことを堕落と感じるのである。

これまで述べたのは、精神性に於いての堕落であるが、もう一つ感じるのは、睡眠の堕落、肉体の堕落だ。

以前は、眠りこけた様に8時間でも10時間でも、ずっと寝ていられたものが、今は67時間程度で、すっと目が覚め、どう言う訳か、2度寝3度寝が出来なくなった。

だから、このごろ、早朝に目覚める度に、『えっ?』と言った感覚に陥ってしまう。

思うに、どうも睡眠の力が落ちたらしい。

食うにも、眠るにも、考えるにも、何をするにも「力」が必要で、私の身体にも、徐々に老化が始まってきたことを認めざるを得ない。

『一般的には、もう定年の年齢で、40数年続けた夜型生活も、そろそろ定年にしてやっても良かろう。』

人は誰しもが、自分なりに拘り、自分なりに頑張っていることが有る。
それが、私の夜型生活の様に、世間では評価されない生活態度であったとしたら、却って、それはそれで面白いと、私には思える。

例えば、もの心が付いた時から、歩かずにずっと走りっ放しとか、後ろ向きにしか歩かないとか、数人としか口を訊かないとか、いつも裸で過ごしているとか、そんな風変わりな人間がいっぱい居たとしたら、さぞや楽しいだろうに。

『そうかぁー、そろそろ、そんな年か・・・』と、私は、少しニタリとしながら思っている。

そんな訳で、遠回りしたものの、これからは朝起きて夜寝ると言う凡人の生活に戻るとする。
これまで最低限として来た午前中のアポも、これからは苦にせずに受け入れられるのは、プラスではある。


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コメント 2

小春

わははははは!!!!! 「さらば夜型人間」!抱腹絶倒でございます。人さまの文章を読んでこんなにばかばかしく(失礼)面白い思いをしたのは、初めてでございます。
あーた、その年になって老眼も、メタボも、ハゲもないんですから、早く目が覚めるぐらいいいじゃありませんかっ。爆!!
わたくしも、随分前から、朝5時に目が覚めて、日の高いうちは仕事して、暗くなっても仕事するという生活をしてまして、それで、体を壊したんだなぁと後悔しきりでございます。
まー、お互い、気持ちだけは老けこまず、適当な寿命で、元気に生きてまいりましょう。
by 小春 (2012-10-28 12:45) 

camus55

小春さん、ご無沙汰です。面白かったですか? ありがとさん、です。
バタバタとあわただしい毎日を過ごし、レスが遅くなりました。ご勘弁です。

早起きの件ですが、あれからも、ずっと続いていまして、今朝も8時過ぎに目ざめました。
その分、これまで専らとしていた深夜が弱くなってしまい、1時ごろには眠くなってしまい、困ったもんです。
しかし、これまでの夜型生活は、何も無理して、そうしていた訳ではなく、自然となってしまっただけですから、朝に起きてしまうのも、自然流に任せますわ。
やんちゃ坊主が、誰かに咎められて、その行いを治す、と言う風は、死んでも嫌、の気性ですが、自然流と理解すれば、許せるかも、、と思っとります。

適当な寿命!! はい、良い言葉です。
目がさめた時が朝で、眠くなった時が夜、そして、寿命が尽きた時が死に時。
それが20年後でも、明日でも、「そうか~、そうなんだよ。」とにっこりしていたいものです。
その日まで、お互い元気でしっかり生きてまいりましょう。

ではでは。。
by camus55 (2012-11-03 12:01) 

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