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お正月

元旦に目覚めれば人の気配がなかった。
なにしろ随分と遅い、もう時計は3時を過ぎていた。

どうしたんだろう、と家の中を探した。
二階に長男を一人見つけた。

私 「あれ、みんなは?」
息子「豊田へ行ったよ」
私 「いつまで?」
息子「さー、4日くらいまでと違うかな」
私 「お前は?」
息子「行かなかった」
私 「食事は?」
息子「済ましたよ」

娘はアパートだから、細君と末っ子の息子の二人で実家に行ったんだろう。それぞれ思い思いに行動をする我が家である。
残されたのは、私と息子と犬2匹、猫2匹だ。息子も大学4年だから、もう手はかからない。
猫と犬の世話さえすれば、完璧な休日が約束された。
そんな嬉しい思いで元旦を迎えた私である。

普段から余り干渉もしないし、されない私だが、全くの一人暮らしの気分は最高だ。心理的に100%開放された気分は、少々の生活の不便があっても気にならない。

そんな私だから、細君に良く言われたものだ。
「あんたは結婚なんか、しなければよかったのよ。」
その口調に含みがあるのか、ないのか、詮索こそしなかったが、何となく理解できそうな気もした。

2日に友人と麻雀しながら、こんな話をしていたら、更に上を行く夫婦があった。
彼は私より一歳年上。普段から家で食事をしない。これは、彼が酒好きなのと、彼の細君が料理が嫌いな為でもある。

仕事の関係で、彼は海外への出張もある。
彼   「これ、子供に買ってきた」
彼の細君「なにそれ?どうしたの?」
彼   「海外に行って来たから、買ってきたんだよ」
彼の細君「そうなの、出張だったの」

笑い話のようだが、本当の話だ。彼も変わってはいるが、出張すら知らない細君も変わっている。
それに比べれば、僕は未だ可愛いもんだ、と思いもする。

北欧では、離婚率が75%らしい。
助け合ってしか生きられなかった昔は、村落共同体の結束が強かった。やがて村落共同体の単位が、血族による大家族に代わり、いまや小家族の小さな単位になった。
この家族だが、どうも最終単位ではなさそうだ。やがては個人一人一人が単位になる。精神的にも、経済的にも、生活にも、自立が求めらるのだろう。

仕事からも日常からも開放された自由な時間に、私は如何にときめくのだろうか。
そんな期待の中で、私は自由な正月を迎えた。
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