安土の夢 [みのむしふとん]
もくじ
第1部 里山再生 at 安土
1章 それは、稲本さんがたった一人で達成された偉業だった....................... 1
2章 里山再生プロジェクトのはじまり ........................................ 2
3章 先ずは水路作りから始まった............................................. 3
4章 2015年、壱の川・畑の側溝づくりが始まった............................... 4
5章 弐の川............................................................... 5
6章 2017年 壱の川の山裾の上流整備......................................... 6
7章 壱の川上流へ、いよいよ山中に分け入る.................................... 7
8章 壱の川上流の山中を開拓................................................. 8
9章 壱の川の上流まで行き着いた............................................. 9
10章 完成した壱の川........................................................ 9
11章 壱の川の奥に、滝らしき音を聞き分け、興奮した............................ 11
12章 滝の出現............................................................. 12
13章 祠(ほこら)に観音菩薩像を置く......................................... 13
14章 焚火................................................................. 14
15章 2017年から2018年、佳境に入る......................................... 15
16章 里山が完成に近づき、弐の川中流に地蔵尊を安置した........................ 16
17章 台座の銘には【里山再生】と刻んだ....................................... 17
18章 2018年春に完成を迎えた................................................ 18
19章 青木繁さんを迎えて.................................................... 19
20章 竹の秋と麦の秋........................................................ 20
21章 里山は 日々変化する.................................................. 21
22章 パワースポット里山 竜石山の名称を残すべし............................ 23
第2部 安土まちづくり奮闘記
1章 青年期............................................................... 24
2章 安土に帰り、安土塾を結成............................................... 25
3章 安土城址野点大茶会.................................................... 28
4章 フェスタ信長.......................................................... 28
5章 阪神大震災に安土救援隊を結成........................................... 36
6章 安土小学校100周年.................................................... 41
7章 安土っ子フェスティバル................................................. 44
8章 名誉町民第一号は 遠藤周作さん.......................................... 47
9章 「安土八幡市」の名誉市民第一号に稲本清さんを!.......................... 50
10章 安土の歴史と自然...................................................... 52
11章 安土の人............................................................. 53
12章 まちづくりは なにも特別のことではない................................. 55
おわりに
春から書き始め 初夏には出版しようと思っていたが、豪雨や台風に見舞われ 追筆している内に9月になった。窓外では、中学校の運動会のアナウンスが聞こえている。「よーいドン」の合図でスタートラインに並んでゴールを目指す。私たちは子どもの頃から競争に慣れ親しみ、努力の向こうに一等賞があると頑張った。
人はスポーツに限らずモノゴトを単純化することによって世界を理解して来たのではなかろうか。貨幣経済も同様で先進国は随分と裕福になった。競争社会の果てに国家間では戦争が起こり、内政においては格差・身分・差別等の弊害が生じた。その都度人類は、平和・平等・自由・正義・人権・環境などの新たな価値観を創り上げ、ルール改正と法整備を図っている。
単純化は言語化と同じく混沌とした世界を理解する知恵であり手法であった。多様性を積極的に認めようとする現代社会にあっては、思考そのものを一次元の平面(点・線・面)から三次元の立体に対応させる必要がある。
私のイメージでは、人は宇宙の中に無造作に投げだされた星だ。生まれた理由も目的もなく、生まれた時も、場所も、環境も、境遇も、資質すらも様々である。
それでも時間は吹く風の様に容赦なく過ぎ去り、制限時間付きの一生は短くも長くもない。確実なのは、突然と死が訪れ、その先が不明であること。
感覚として、人は絶望的に孤独な存在であると言えよう。
だから人は藁をもつかむ思いで自己救済を願い、慈悲や愛にすがるのだろう。
人生に明確なゴールを設定できれば幸せであろうが、安易な答えでは納得できない。ゴールは遥か遠い月の彼方(かなた)から優しく手招きをしている。
人類が長い歴史を費やしてさえも見果てぬGOALではあるが、私は途上で出会う人の笑顔と道辺に咲く草花に歓喜し感動している。
『なあ~お前はどう思う?』と、ルーファの頭を撫でつつ尋ねるも『なんや?』と、いつもの間抜けな目で ただ振りかえる。
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