SSブログ

プロフェッショナルとは。 [みのむしふとん]

この問い掛けに際し、一昨日、NHKの番組【プロフェッショナル】にて、デザイナーの梅原真氏、「身近な事柄からの空想を具体化する人のこと」と答えた。

元来、空想好きの私は、大いに納得した。

あれから2日経つが、この言葉を、自分に置き換え、あれこれと反芻している。
それは今、格闘中の「へちま枕」だったり、10年前の「みのむしふとん」だったり、また学生時代にアレコレ考えた社会のことだったり、である。

そんな中で、もう40年近い昔に、親父から言われた言葉を思い出し、苦笑している。
これは、褒められたと云うよりは、窘(たしな)められたと書いた方が、正確だろう。

当時、あれこれと、やりたい空想(夢)を語る私に対して、親父の放った言葉は、確か、こんな感じだったろうか。

「あのな、たぁちゃん(私のことである)。
 言う事は、解る気がするが、お前のは、レールに鉄の塊を載せて、『ホレ、これで新幹線が出来た!!』と言っている様にしか、ワシには聞こえん。
 『ほな、行ってくるわ!!』 と、小さい田舟に何の備えもなく、太平洋に漕ぎ出さんとする息子に対して、気を付けて行って来いなんて、いかなワシでも、よう言わん。」

今、改めて文章にしてみた訳だが、口元が緩んで仕方がなく、ついつい、声を発して笑ってしまう。

『愛されていたんだなあ~』と思う。

あの頃の親父の年齢を、もう私は、追い越してしまった。
それでも相変わらず、私の空想好きは健在で、親父と言えば、もう墓の中だから、心配をせずとも済む。

へちまを手にして、『これで新商品を開発したい』、
更には地域の農家を巻き込んで、『これで、小規模農家の活路を開くんだ』、とか、
大学教授や経産省に掛け合ったりと、どんどん話しが大きくなって行く。

「みのむしふとん」の開発時には、未だ親父が存命で、良く似た経路を辿ったが、途上では、余り心配を掛けたくなかったので、私としても、詳しい話をしなかったし、親父の方も、心配するのが嫌で、余計な話を聞きたがらなかったものだ。

そんな私であるが、自分だけ好きに空想していれば良いものを、今は、安土経済人塾に於いて、みんなに空想を勧めている。

メンバーと言えば、それぞれなりに全員、地域で、産業を担っている。
プロと言う言葉ほ使うなら、それぞれが、過去のプロ。
だから、これまでの技術なりサービスの素地を有している。

そんな過去のプロであるが、時代の変化に対応し、本当のプロ、未来に向けてのプロとしての新商品なり、新サービスの提供しなけば、じり貧になるのは自明である。

例えば、私が「みのむしふとん」を開発した時、
売り先に付いて、『高島屋デパートとか、通販生活で販売したいなぁー。』と空想した。

『田舎の小さな布団屋が、なにを夢みたいなことを!!』であるが、このアイデァに対して、何もせずに諦めるのは、無責任と言うものだ。
かといって、有効な手立てがあった訳でもなかったものの、諦めることなく、手紙を認(したた)めた。

この商品が、どんなに画期的であるかとか、どんな風に真剣に取り組んでいるとか、アレコレ思いつく限りを書いて、投函した。

所用経費は、切手1枚。
後日、「一度、会って話を聞きたい」との電話があった。

まちづくりに於いても、同じ経験がある。
安土塾で【フェスタ信長】を始めた時、「誰か有名人に講演して貰おうか?」となり、「そうだ、ペンクラブ会長の遠藤周作氏は、どうよ。」となり、「そんな偉い人、来んやろう・・・」で、あったが、「いやいや、取りあえず」と電話し、成功した。
翌年の岡本太郎氏も、翌々年の津本陽氏も、同様である。

さて、話は、デザイナーの梅原真氏であるが、「へちま枕のパッケージは、この方に頼みたい」とテレビを見ながら、思った私だ。昔と違って、今は容易にネットで連絡先が調べられるから、早速、依頼の手紙を書いてみる。

経営学では、消費者ニーズに合致した商品なりサービスを提供するとが肝要である、とは常套句。
しかし肝心なのは、今のニーズがなんであるかを捉える目、耳、イメージ力なのだ。

経営者は、今、時代が、皆が、誰かが、何を悩み、何を考え、また、どの様な視点があるのかに付いて、感度を磨く必要があり、それこそが、経営者の仕事だと云っても、過言ではない。

安土経済人塾の「塾」は、松下村塾の塾に肖っている。
松下村塾から維新を担う多くの若者が排出したように、安土経済人塾をそんな場にし、メンバーそれぞれの会社が、大いに飛躍されんことを期待している。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。