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エジプト綿 (その1) [みのむしふとん]

このごろの私は、町は合併、仕事は「もめん布団」に忙しい。
合併に付いては、請願書を<a href=http://azuti.blog116.fc2.com/>安土ブログ</a>にアップした。

さて、ワタセの創業は明治6年だから、今年で135年か136年になる。
鷹の夢と大黒様の衣裳のお陰か、この冬に「もめん綿布団」を掲載して頂けるとあって、私は大いに張り切っている。

勿論、「みのむしふとん」や「近江本麻布団」でも頑張っている訳だが、「もめん布団」となると、どう言う訳か熱の入り様が違ってくる。
「みのむしふとん」は、私が世に送り出した商品だから、もちろん愛着が深いのだが、しかし「もめん布団」となると、格別な思いを持ってしまう。

『うん? なんで?』であるが、
それは、やっぱり130年を超えるワタセの本業であるから、先代、先々代、先々々代から連綿と営んで来られたDNAが騒ぎ出す、かの様な気がする。

私はワタ屋の子供であったから、幼い頃から沢山のワタやら布団に囲まれて育った。倉庫には綿の原料がいっぱい積まれていたから、友達を呼び、天井の柱に荒縄を結びつけて原綿から原綿へと飛び移る「ターザン遊び」に熱中した。
倉庫と製綿工場は別棟で、更には仕立て場があってと、それぞれ別れていて、工場と仕立て場では、怒られるから遊ばない。
仕立て場には、静かで穏やかな空気が流れていて、布団や座布団が作られる。少し酸っぱい様なワタの匂いと、ふわふわとしたワタの感触は、叔母の作業している姿とともに、私の遥か遠い甘い思い出なのだ。

この作業風景は、現在でもワタセ工場で引き継いでいるが、しかし全国的にみれば、この10年で「もめん布団」の生産は90%も激減した。掛け布団は羽毛に、敷き布団は合繊などの硬綿に変わったからである。

「もめん布団」は、そんなに良くないの?
と言うと、とんでもない話で、「もめん布団」ほど人間に心地よく、地球にも優しいものは他にない、と私は今でも思っている。

それじゃ、どうして売れないの?
に付いては、宣伝が下手、価格が安いから売りたがらないのと、作り手にしても、ものつくりの努力が足らない等、色々と考えられる。

こんな中で、通販生活さんからオファーを頂いたものだから、私としては、「10万円以上の羽毛布団より気持ちの良いもめん布団」「10万円以上の真綿布団よりも肌触りのよい木綿ワタ入り肌布団」の開発に夢中なのだ。

(下へ続く)
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